2016年 今年の漢字
11月に入り、少し今年を振り返り始めている。
今年はいろいろあった。大学卒業、就職、一人暮らしのはじまり、仲間の自殺に、祖父母の病気…
間違いなく、この何年かでは一番大きい変化のあった年で、たくさんの出会いと別れを経験した。
悲しいことで言えば、仲間の自殺は大きかった。
同じタイミングで就職して彼は東京で、自分はこの場所で共に頑張ろうとlineで言い合ったのが最期になってしまった。
祖父母の病気は一時はどうなるかと思ったが、今のところ元気でありがたい。
自分や従妹の進路が決まって、その後に倒れたというのも心配をかけない祖父らしい心遣いである。
大学の別れは本当のところ、少し後悔がある。
卒業式を、引っ越しのために欠席してしまったから。
不義理って言葉を最近知ったが、これこそ不義理なんだと、今更ながら後悔が募っている。
家を出たのも大きい出来事だった。
やはり、一人で暮らすのは寂しいし、厳しい。
だからこそ母や父の大きさだとか有難さを感じることができた。
時間をかけて恩返しではないが、親孝行していきたい。
嬉しいことは、なんといっても同期との出会い。
同期はたくさんいてそれぞれ好きだが、特に同じ場所に配属になった3人は大好きだ。
男の同期はとにかく場の雰囲気を明るくできるすごいヤツ。
いじる、といじめるって紙一重で、いじるやつの意地悪さがすごく嫌だったが、
彼のいじりには、意地悪さがなくて場の雰囲気が盛り上がる。
考え方も、少し保守的に感じてしまうこともあるが、フェアで優しい。
人をいじって場を盛り上げる技術を彼に学んだし、少なからず自分の人生を変えたということもできる訳で、彼には大きな感謝をしている。
韓国人の子は、物事を俯瞰する能力に長けていて、冷静な判断が持ち味。
少し危うい判断をしてしまうこともあるが、彼女のメリハリの効いた判断は男勝り、で自分もそうやっていかないとなぁと思った。
何より、彼女がいると場の雰囲気が和むことが多くて、それは天性のものだと思う。
自分にとっては初めての韓国人の仲間で、韓国という国が大好きになった。
生まれ育った国でないところで、懸命に仕事する姿はなにより刺激になったし、彼女には大きな尊敬の念を持っている。
もう一人の子は、とにかく一生懸命頑張る子。
不器用、という言葉がよく似合うが、どんな時でもさわやかな笑顔で、よく気が付き、すぐに動く。人のいいところを見る天才で、どんなできごとも常に前向きに捉えて、絶対にマイナスの発言をしないし、人に対して常に尊敬の念をもって接する。この子を嫌いな人は極端に少ないんじゃないかなと思う。心配なのは、人にものを頼むのが苦手で何でも自分でやってしまうこと。自分を含めた4人の中で一番働く子だけに、来年立場が上になったときのことがどうしても心配になる。
彼女は自分に毎日、毎回刺激を与えてくれた子で、来年からは追いつけ追い越せで切磋琢磨できたら良い。
だからこそ、今年の言葉を象徴する言葉は、言葉というより漢字一字で「愛」だったと思うのだ。
家を出てから感じた家族からの愛。
催事に協力してくれようとした伯母の愛。
病気中の祖父母の愛。
3人の同じ場所に配属になった同期、他の場所に配属されたたくさんの同期には、会うだけで元気になるし、この素晴らしい仲間が幸せでありますように、と考えてしまうのはもはや、愛なんじゃないかなって思う。
特に3人の同期とは、来年ほぼほぼばらばらの配属になる訳で、少しでも楽しく、少しでも楽に過ごしてほしいと思うのだ。
そう考えたとき、少し重いかなとも思ったが、そういうことを考える年齢にもなったし今のところ自分の気持ちに一番近い言葉だと思う。今まではそこまで感じなかったのも事実だし、自分には大きな進歩だと感じている。
そういう意味で、たくさんの愛を感じさせてくれた人に対して、しっかり恩返ししていきたいと思うし、そういう人生を歩みたいと思う。
2014年の、「我以外皆我が師」も大好きな言葉だった。
2015年の、「人生は、喜ばせごっこ」も、自分の中ですさまじく輝きを放っている。
そして、2016年の「愛」である。
改めて並べて考えると、自分がなりたい人間性が見えてくるし、意外にも一本筋は自分の中にあるのだと感じる。
明るいほうへ、楽しいほうへ、愛のあるほうへ。
来年はどんな年になるのか。
今から同期と離れるのは寂しくて仕方ないが、たまに会う楽しみも増える訳でまた宝物が増えるんだって考えたい。
まずは、今年を懸命にいい年として終えられるようにしたい。